平成28年迎春用上生菓子
いよいよ今年もあと僅かになりました。如何お過ごしでしょうか?
クリスマスを過ぎるとすぐにお正月、新年を迎えます。今年の冬は例年より少し暖かくて助かりますが、雰囲気がもうひとつですよね!そこで、迎春用の生菓子のお見本をお作りしましたのでご披露させて戴きます。少しでも和菓子で年の瀬、新年の情緒を味わって戴ければ嬉しく思います。
迎える年の干支は『丙 申』。宮中の歌会始のお題は『 人 』です。えとにまつわる生菓子はこなし生地で“年の神”、上用製で“陽春”をお作りしました。上用の“陽春”はあまり見慣れない焼印が押してありますが、これは庚申信仰の「吊るしざる」と申しまして厄除けに使われる申さんの文様です。京都では、八坂庚申堂の「吊るし申」として、奈良町では「身代わりさる」や「願い申」と云う呼び名で親しまれています。京都や奈良にお出かけされたときは、おたずね下さい。それから、お題の『 人 』は、「おたやん」です。人から発想しておめでたい意匠はないかと考えましたら節分に使う「福笑い」に気が付きました。そこで御銘を「おたやん」と云う人にまつわる御銘にして、上用製で作らせて頂きます。
今年も何かとお引き立てにあずかり誠にありがとうございます。これから冬の寒さも本番です。くれぐれもお身体お厭い下さいませ。幸多き良い年をお迎え頂けます様心よりお祈り申し上げます。
感謝